フィラリア症の予防について

こんにちは院長 中山です。

ちょうど春の予防シーズンなので、季節ネタでフィラリアについて少し書きます。

 

フィラリア症とは今でこそ予防が広く行われて減りましたが、以前はワンちゃんの死亡原因としてとても多かった疾患です。

犬糸状虫(Dirofilaria immitis)という虫が心臓や肺動脈に寄生して、血液の流れを妨げ循環不全により体の色々な所で障害を起こす病気...簡単に言うと寄生虫による心臓病というところでしょうか。

ご存知のようにこの病気は蚊が媒介します。蚊が寄生虫の運び屋になるのです。

しかし実は蚊は運ぶだけではないんです。犬糸状虫は蚊の体内で2回脱皮します。

この脱皮がすまないとワンちゃんに感染する能力を獲得できないのです。

犬糸状虫は蚊に運ばれながら成長していくのです。

この時、気温が17~18℃くらい必要なので、予防の時期はこの気温を目安に決めることになります。

 

さて感染能力を獲得した犬糸状虫は、蚊が吸血する際にワンちゃんの体に入り込みます。

ただ体に入ってもすぐに心臓に入るわけではありません。

筋膜内などでまた2回の脱皮をするのです。そしてやっと血管系に入り心臓で成虫になります。

血管系に入るまで感染後2~3ヶ月かかります。

フィラリア症の予防薬は、この血管系に入る前の幼虫に対して効果を発揮します。

成虫の雌雄が揃うと血液中にミクロフィラリア(mf)という子虫を生み出し、これを蚊が吸って蚊の体内で成長し次の感染の機会を待つのです。

 

※幼虫の時期をLで表します。L3なら第3期幼虫ということです。(図はクリックで拡大)

 

ちょっと分かりにくいですね。

フィラリア目線でゲームにたとえるとレベル1~2の時は次のステージ(犬の体内)にはいけません。レベル3になると初めて第2ステージにいけるようになるのです。

第2ステージ(犬の体内)でもレベルアップしなければならず、レベル5まで上がると第3ステージ(血管系)に進めるようになります。

第3ステージの最後には心臓というゴールがあり、たどり着ければクリア(成虫になれる)です。

よけい分かりにくいかな...。

 

フィラリアの感染の仕組みについて動画がありました。DSファーマアニマルヘルスというフィラリアのお薬も作っている製薬メーカーのサイトです。

分かりやすいので参考にしてみてください。音が出ますのでご注意ください。

犬フィラリアのライフサイクルムービー

 

フィラリア症の予防薬は体には入ってしまったけど、まだ血管系に入っていない幼虫を駆除するいわば駆虫剤です。

ですから気温が下がり蚊がいなくなってからも少し続ける必要があります。

当院では予防開始前の血液検査と5月下旬~11月下旬まで月1回の投与をオススメしています。

予防をする上で大事なことは毎月きちんとお薬を与えることです。

特に秋になって蚊が少なくなった時期に忘れやすいので注意しましょう。