熱中症について その3

こんにちは。院長 中山です。

熱中症についても第3回となり、思ったより長くなってしまい読んでいただけるか不安です。

さておき、今回は熱中症を起こしやすい状況に関してです。

第1回で出てきた、「熱を外に逃がすルート」が上手く働かない環境のことと思って下さい。

まずは当たり前のようですが気温が高い状況。

「蒸発」以外のルートは気温が体温よりも低いことが前提です。気温の方が高い環境では、逆に体温を上げる方向に働いてしまいます。しかもイヌやネコは「蒸発」をヒトほど有効に使えません。

ですから気温が38℃を超えるような状況はかなり深刻です。

しかし「気温が38℃を超えることなんて、あんまり無いんじゃない?」とお考えではないでしょうか?実は状況によってはそんなに珍しいことではありません。

まず普通に眼にする気温は「地上から150cmの高さの日陰」で測られています。つまりイヌの歩いている高さの気温ではないのです。

イヌの歩いている高さは大人の顔の位置の温度より3~4℃は高いようです。ましてや日なたのアスファルトの道路であれば、40℃を超えることも多いと思います。

ヒートアイランド現象も相まって夜だから大丈夫というのは、特に都市部では通用しません。

次に空気の流れの無い場所。換気の悪い狭い部屋です。

これは主に「対流」を妨げます。

車の中などは窓が大きく気温が上がりやすいことに加え、空気の流れが少ないことも熱中症のリスクを高くしています。更にイヌが興奮しやすい環境なので、短時間だから大丈夫と思っていても重大な事故につながる危険性が高い状況です。

また湿度が高い環境も危険です。

ヒトほど効率的ではありませんが、イヌも「蒸発」を利用して体温を下げようとします。

湿度が高いほど「蒸発」は起こりにくくなります。洗濯物も乾きにくいですよね。

いわゆる蒸し風呂のような状況は熱中症になりやすいのです。

 

代表的な熱中症になりやすい状況・環境について書きましたが、その子その子の状態によっても実際に熱中症になるかは差があります。

事故を未然に防ぐためには余裕を持った対策をたて、実行することが大事だと考えます。

こうやって考えていくとヒトは汗をかく機能を発達させて、暑熱環境に対応してきた動物です。ヒトと同じ目線でイヌやネコを見てしまうと思わぬ事故につながるように思います。ご注意を。