猫の下部尿路疾患~F.L.U.T.D.

こんにちは。院長 中山です。

最近、随分と気温も下がり冬らしくなってきました。気が付けばもう12月。

12月になれば街はクリスマスムード、そして年末気分が高まってきます。

そんな寒くなると比較的多くなってくる病気、猫の膀胱炎について少し。

最近では市販のキャットフードにも「F.L.U.T.D.に配慮した…」なんて書いてあるものが良く見られます。そのF.L.U.T.D.のお話。

このF.L.U.T.D.という言葉はFeline Lower Urinary Tract Dieseaseの略です。日本語にすると猫の(Feline)下部尿路(Lower Urinary Tract)疾患(Diesease)となります。

オシッコが作られて外に出てくるまでの構造を尿路と言います。右の図は雄猫の尿路の模式図です。

図のオレンジの部分(膀胱から尿道にかけて)を特に下部尿路と言うので、簡単に言うと膀胱や尿道に起きるトラブルと言う意味です。

 

この時、以下に挙げるような症状が病気のサインとして出てきます。

①頻繁にトイレに行くが少ししか、またはまったくオシッコが出ていない(頻尿)。

② オシッコの色がオレンジ~赤色をしている(血尿)。

③排尿時に泣き声をあげる(疼痛症状)。

④ さかんに陰部を舐める(下部尿路の違和感)。

などです。特に①~④のいずれかの症状が見られ、オシッコが出ていることが確認できない場合には急いで動物病院に相談する必要があります。

それは尿路閉塞症という怖い病気があるからです。尿路閉塞症は主に雄猫で起こり、処置が遅れると命にかかわってくる状態です。様子を見ないで病院で膀胱の状態を確認してもらいましょう。

 

上に挙げた症状は主に下部尿路に炎症が起こることで見られます。

その原因として以下のようなものが考えられます。

①膀胱および尿道の結石症(尿石症・尿路結石)。

② 細菌性(または感染性)膀胱炎

③ 特発性下部尿路疾患(原因が不明でストレスの関与も疑われている)。

この中で特に①の場合に尿路閉塞症を引き起こすリスクが高くなります。

一番多いのはストラバイトという種類の結石です。この石はアルカリ性のオシッコ・濃いオシッコ・ミネラルの多いオシッコで出来やすくなります。

ドライフードしか食べない子はウェットフードを食べている子に比べて、水分摂取量が少なくなる傾向があるためオシッコが濃くなりやすいと言えます。

また、マグネシウム等のミネラルが材料となるため、ミネラルウォーター(硬水)を与えるのもリスクを高めます。

オシッコの中に結晶が見られる場合は、フードを変更して石を作りにくくしないといけません。膀胱炎の治療と平行して、療法食などを使って結石の予防・維持をします。

 

現在のイエネコのルーツはリビアヤマネコだとされています。(先日、カダフィ大佐の独裁政権が崩壊したあの中東の国の名前が付いていますが、北アフリカ~中近東~西アジアに分布しているようです。)

つまり砂漠のあるような乾燥地帯の出身なのです。ですからオシッコを濃縮して、体の外に出す水分を節約するように進化したわけです。

この特徴がイエネコにも受け継がれており、泌尿器系のトラブルが犬に比べ多いのです。

 

長くなってしまったので、尿路閉塞症に関しては次回にしたいと思います。